消えない後悔

Arwy Official

病の床から起き上がった豊太郎は、ふらつく足で、エリスのもとへと、急いだ。 けれど、彼を待っていたのは、もはや、かつてのエリスではなかった。相沢から、すべてを聞かされたエリスは、あまりの絶望のために、心を、病んでしまっていたのだ。彼女は、うつろな目をして、わけのわからないことを、つぶやいていた。豊太郎の顔を見ても、もはや、はっきりとは、彼を、認められなくなっていた。 エリスは、生まれてくる子のために、せっせと、産着(うぶぎ)を縫っていた。そして、ときおり、夢からさめたように、「私の、豊太郎さま」と、つぶやいた。けれど、その心は、もう、もとには、戻らなかった。医者は、回復の見込みは、ほとんどない、と告げた。豊太郎の愛した、あの、純粋で、まっすぐな心は、永遠に、失われてしまったのである。 豊太郎は、エリスの変わり果てた姿を前にして、はじめて、自分のしたことの、おそろしさを、思い知った。自分の、優柔不断な弱さが、出世への、断ち切れぬ未練

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消えない後悔 — 舞姫 · ARWY