親譲りの無鉄砲

Arwy Official

親譲りの無鉄砲で、子どものころから損ばかりしている。 小学校にいたころ、学校の二階から飛び降りて、一週間ほど腰を抜かしたことがある。なぜそんなことをしたのかと聞かれても、別段、深いわけはない。ただ、同級生のひとりに「いくらいばっても、そこから飛び降りることはできまい」とからかわれたからだ。おれは、できないと言われると、どうしてもやらずにはいられない性分なのである。 おれは、こういう調子で、子どものころから、無茶ばかりしてきた。親父には、ことあるごとに「お前はろくな者にならない」と叱られた。母も、おれのことを、あまりかわいがってはくれなかった。兄は、ずるくてこすっからい奴で、おれとは、てんでうまが合わなかった。 そんなおれを、家のなかで、たった一人、かわいがってくれた人がいた。下女(げじょ)の清(きよ)という、もう年とったばあやである。清は、どういうわけか、おれのことを、たいそう気に入っていた。家じゅうの者がおれを厄介者あつかいす

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