赤シャツの企み

Arwy Official

赤シャツの正体が、はっきりと見えてきたのは、ある一件がきっかけだった。 学校には、うらなり君という、おとなしい英語の教師がいた。色の青白い、まじめで気の弱い男で、おれは、ひそかに同情していた。このうらなり君には、町の名家の娘で、たいそう美しい、許嫁(いいなずけ)がいた。マドンナと呼ばれる、評判の美人である。ところが、その許嫁に、なんと、あの赤シャツが、横恋慕をしていたのだ。 赤シャツは、自分の地位と弁舌をいいことに、こっそりと、マドンナに言い寄っていた。そして、邪魔者であるうらなり君を、遠くの田舎へ転任させようと、ひそかに画策していたのである。表向きは、「うらなり君のためを思っての栄転だ」などと、もっともらしい理屈をつけて。なんという、こすからい男だろう。 おれは、この一件を知って、はらわたが煮えくり返った。気の弱いうらなり君から、卑怯な手で、許嫁まで奪い取ろうとする。それでいて、表面はあくまで親切ぶって、いい人を装っている。お

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