友の誘い

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つかのまの幸福な日々は、しかし、いつまでも続くものではなかった。 ある日、豊太郎のもとに、思いがけない知らせが届いた。かつての親友であり、いまは出世して、ある高官の信任を得ている、相沢謙吉という男が、ベルリンへやってくるというのである。相沢は、日本にいたころから、豊太郎の才能を、誰よりも高く買ってくれていた、心からの友だった。 相沢は、ベルリンに着くと、すぐに豊太郎を訪ねてきた。久しぶりに会う友の姿に、豊太郎の胸は、なつかしさで、いっぱいになった。けれど、相沢は、豊太郎の落ちぶれた暮らしぶりを見て、深く、心を痛めた。「太田、おまえほどの才を持つ者が、なぜ、こんなところで、くすぶっているのだ」。 相沢は、豊太郎に、こう説いた。一時の感情に流されて、おまえは、自分の輝かしい未来を、棒に振ろうとしている。踊り子との恋など、若い日の、ひとときの迷いにすぎない。今ならば、まだ、やり直せる。自分が、力になろう。もういちど、国家のために、その

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友の誘い — 舞姫 · ARWY