人間観察

Arwy Official

吾輩は、毎日この家で、人間というものを、つくづく観察している。観察すればするほど、人間という生きものが、いかに不思議で、いかに矛盾だらけであるかが、わかってくる。 たとえば、人間は、しょっちゅう嘘をつく。それも、自分のためになる嘘ばかりではない。見栄を張るための嘘、相手を喜ばせるための嘘、ただなんとなくつく嘘。迷亭などは、嘘をつくこと自体が趣味のようなものだ。猫は、決して嘘をつかない。腹がへれば鳴き、機嫌が悪ければうなる。それだけで、十分に生きていけるのである。 それから、人間は、ひどく見栄を張りたがる。苦沙弥先生は、貧乏なくせに、客が来ると、ありもしない蔵書の話をしたり、読んでもいない本を、さも読んだように語ったりする。寒月は、博士でもないのに、博士になったような口ぶりで話す。みな、実際よりも自分を大きく見せようと、けんめいなのだ。 吾輩には、それがおかしくてたまらない。ありのままの自分でいれば、こんなに楽なことはないのに、人

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